基本的にアニメでは登場人物全員が美形です。
しかし、本作では結月・白瀬が特にルックスが良いという設定上か、キマリ・日向が前者二人よりも不細工に描かれているシーンがちらほら存在していました(逆もまた然り)。
そのような細かいキャラ付けがサブミナル的に行われた結果が、本作におけるキャラクターの現実感を高め、作品全体のクオリティアップに貢献しています。
また同様に、冒頭のエピソードタイトル画面もSNSをモチーフにした現実の女子高生らしい雰囲気が感じられました。
本作では主人公のキマリが今ある現実からの脱出を目標に非現実的な世界、南極へと旅立つ物語です。
しかし、作品の構成自体はそれに対を成すかのように、フィクションを感じさせない正に現実感溢れるものになっています。
全てのアニメに現実感が必要なわけではありません。
しかし、本作に一層の磨きを与えるために現実感は必要不可欠な要素でした。
それを様々なところで見事に表現出来ていた本作、『宇宙よりも遠い場所』は文句なしの今期ナンバーワンアニメでしょう。