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面白かった

ストレンヂア 無皇刃譚

神作画、それに尽きる

ストーリーはぶっちゃけ可もなく不可もなくって感じで、ぶっちゃけ”普通”です。

ただ、作画が素晴らしい。本当に素晴らしい。殺陣のアクションシーンだけで、見る価値あります。

作画監督は伊藤 嘉之という、「カウボーイビバップ」のアクションシーン原画で名を上げたアニメーター。

BONES(制作会社)が一番元気だったときに、力を振り絞って作ったという感じですね。

演出もレベル高く、クライマックスのアクションシーン、剣の構えで流儀の違いを演出するところなんかは仲代達矢の「切腹」のオマージュなんじゃないかと思います。

あとちなみに、主演声優はTOKIOの長瀬くんです。アニメへのタレント起用って色々言われることも多く、実際中にはひどいものもありますが、声のトーンと雰囲気で演技力カバーして聞かせられるレベルに持っていっているところはさすがという感じです。

監獄学園

良い原作×名監督。珠玉のコメディ ※男性向け

笑わせてもらったアニメです。ただし基本下ネタなので、人は選ぶかも(笑)
男子校で寮育ちの自分には共感できすぎて、当時を思い出し懐かしささえ感じました。

原作がカメラワークを意識した描写・コマ割りなので、映像化はしやすかったのではないでしょうか。本作が見事なのはテンポです。絶妙な間のとり方で、笑どころできちんと笑わせてくれます。

監督は水島努さんですが、この監督の作品で大ハズレというものは観たことがありません。ギャグアニメだけではなく、ガールズアンドパンツァーやSHIROBAKOといったメジャーなオリジナル作品も手掛けられていますので、もはや名監督と呼んでもいいのではないでしょうか。

良いマンガが良い監督に出会ってできた良作です。

楽園追放 -Expelled From Paradise-

誰と見てもよい、SFエンターテイメント

家族・友人・恋人、誰と見ても楽しめる王道SFエンターテイメント。

SFディストピア、気は強いがちょっとヌケてるところもあるツンデレヒロイン、ロック好きで男臭い粋なバディ、裏路地で絡んでくる不良…etc
不朽のネタを、小気味よい王道展開で描きます。王道作品は演出が優れていなければ陳腐になってしまう危険もありますが、本作は上々。おいしい素材を上手に料理したという印象です。

ヒロインは釘宮理恵さん演じるアンジェラ。カワイイです。釘宮さんを100%有効活用しています。
衣装はセクシーですが、劇中ではいやらしくならないように描写されており、いい塩梅です。

気持ちよく鑑賞できる佳作に仕上がっていると思います。

はたらく魔王さま!

良作コメディ。もっと話題になってもよかったのに

リアルタイムで見ていましたが、本筋も平均以上と感じましたし、ギャグも面白く、もっと話題になってもよかったのにと思った作品です。

キャラもそれぞれいい具合に人間味が感じられてよかったです。
{netabare} 一兵卒の勇者より、曲りなりにも組織のトップであった魔王のほうが人間が出来ているのも、シニカルな面白さを感じました。 {/netabare}

コメディで1クールですので、とりあえず一杯!くらいの感覚でオススメしたい一作です。「この素晴らしい世界に祝福を!」が好きな方ならハマるのではと思います。

個人的には「甘城ブリリアントパーク」と2大巨頭で、もっと評価されるべき枠の作品です。

大魔法峠

ハマるひとはハマる、ブラックユーモアコメディ

タイトル通り、ハマるひとはハマる作品だと思います。尖ったネタが好きなひとにはオススメ。個人的にはストライクです。

マンガ原作のOVAで、原作から選り抜いたエピソードをアニメ化してあります。

全4話と短く感じるかもしれませんが、可愛らしい魔法少女が実は!というのは出オチなところがありますので、サクッと流して見てしまったほうが後味はいいと思います。

原作漫画も持っているのですが、主演の佐藤利奈さんの声がこれ以上ないくらいにキャラと合っていると感じました。純情な少年・少女や頑固なおばさん役等が多い印象ですが、こういう裏表のある役ももっと見てみたいと思いました。
あ、あとデビューしたてで初々しい演技の花澤香菜さんが見られます。

亜人ちゃんは語りたい

実は深い、親子で見たいほのぼの系意欲作

コレ、とってもいいんです。道徳の教科書に載っていてもおかしくないくらい、いろんなことを考えさせてくれる素敵な作品です。

本作に登場する 亜人/デミ ちゃんたちは、身体的特徴(障碍、人種的差異)がある方を暗喩した存在として描かれています。そんなデミの生徒や同僚たちと、生物教師・高橋鉄男の関わる日常を描きます。

この高橋の眼差しがとてもよい。論理的に物事を解釈しながらも暖かい目でデミちゃんたちと接します。「自分たちとは違うから」という壁で社会を区切ってしまうのではなく、その違いを認識した上で「どうしたら共生できるか」という前向きな目線でデミちゃんたちと向き合い続けます。「なるほど、そういう視点で考えればいいのか」と気づかせてくれることも多々あり。
「たしかに、こんな先生だったら好きになっちゃうかもな」という説得力があり、途中挿入されるラブコメ要素もクサくありません。ほのぼのとした空気が持続します。

デミちゃんたちもオリジナルのモンスターではなく、実際に伝承のあるものをモチーフにしている点がまたいい。与えられた判断材料の中から実態を探っていく過程が、リアリティをもって感じられます。

唯一惜しむらくは、ややテンポが悪い点。特に各エピソードのラスト、シャレや言葉遊びがオチとなっているのですが、そこがやや間延びしています。原作のマンガでは1~2コマでストンと落ち、心地よい余韻が残るのですが、アニメではそのテンポ感がややグダグダとなっているかと。結果、1話1話のインパクトが薄い印象に。

普遍的でデリケートなテーマを丁寧に扱った秀作です。

甘城ブリリアントパーク

王道展開にブラックユーモアのスパイスが光る良作コメディ

個人的には「はたらく魔王さま!」と2大巨頭でもっと評価されるべき枠の一作。
主人公可児江西也の成長と、甘城ブリリアントパークの行く末がリンクしており、キレイなストーリー構成だと思います。

ブラックユーモア気味のギャグも多く、夢物語がちな本筋に現実感を持たせるのにも一役買っています。
見た目キュートなマスコットキャラクターが、実はヤンキー育ちで下品だったり、昼ドラのようなドロドロした家庭環境を持っていたりと、個人的にも大好物です(笑)

2期も期待していたのですが、そういう噂は聞かないのでなさそうです。残念。
ただ、区切りのいいところまででキレイにまとまっていますので、単体として十分楽しめます。オススメです。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

リアルな学校社会のゆがみ、「うまい生き方」とは

特別感動とか爆笑ということはないですが、観終わった後にほどよい爽快感とカタルシスを感じる作品でした。

学校が舞台ですが、主人公・比企谷八幡のダークヒーローストーリーです。

リアリティありすぎる学校社会の中で、「ぼっち」である主人公・比企谷八幡が裏で暗躍し、事件を解決していく様は見ていて爽快でもあり、やや滑稽でもあり、妙な面白さがあります。
その方法も、徹底的に"逆"王道を貫いており、この作品のオリジナリティを確立しています。

心の動きを描いた作品だけあり、心情描写の演出も優れています。

しいて言えば、比企谷くんのぼっち設定がちょっと嘘くさいかなというくらい。傍から見ているとコミュ力高すぎです(笑)。
たしかにモテるタイプではないのかもしれませんが、これだけ気を使えて冷静な判断力があれば、生まれてこの方友達がいないということはないでしょう。
普通の学園モノなら気にならない程度のフィクションですが、人間模様がリアルな分、ちょっとひっかかってしまいました。

日本社会というと大げさかもしれませんが、「人間性や能力が正しく評価されない学校社会のゆがみ」という構図は上手く捉えられており、主人公の考え方にも一考させられる作品です。

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