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とても良い

新たに大赦から課せられたお役目は、結城友奈の「神婚」だった。「祟り」だけに終わらない友奈に背負わされた運命に、夏凛はどうしようもなくて心が折れそうになっていた。

そんなかつてのライバルを見かね、楠芽吹は「勇者なら堂々としていなさいよ!」と怒りを露わにする。しかし、夏凛は夏凛で「勇者たちだって落ち込んで苦しんで、いっぱいいっぱいになることだってあるのよ…!」と痛切に言い返す。

だけど、そんな芽吹の辛辣にも聞こえる激励と、運命に苛む勇者の友達を助けたいという思いの間で、夏凛に中に思い出されるものがあった。それは、「為せば大抵なんとか成る」という勇者五箇条の一つ。そんな「神樹様の勇者」として強いられた理由ではなく、みんなで作り上げた「勇者部の勇者」としての奮起する理由に、夏凛は立ち上がる力を貰えたように見えた。

それに、夏凛の「芽吹だから元気出た」という言葉も、「私は『芽吹たちとの選抜を勝ち抜いた勇者』であり、だから芽吹の言葉が力になるんだ」と言っているようだった。さらに、その後に続く「私も紹介したいの、私の友達を!」という芽吹に向けた言葉も、まさに夏凛が神樹様の勇者ではなく、みんなの勇者部の勇者であり、「人間の勇者」であるということを高らかに示しているようだった。



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