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良い

SHYもといテルのクラスに転校してきた小石川さん。そんな彼女の痛めた脚というのはテルにとって、自分がヒーローとして小石川さんを助けきれなかった負い目として突き刺さるものだった。しかし、彼女が語るのは「この脚はSHYが助けてくれた証」ということで、その言葉にヒーローSHYのテルもどこか救われたような面持ちに見えていた。

だけど、そんな心明るい小石川にも内に閉じ込めた心の闇があり、そこに付け込む”何者”かが彼女を襲った。そして、小石川は幼い頃に火事から自分を救った代わりに両親が帰らぬ人となった負い目、「私なんかが救われなければ、誰も傷つかない…、私が死ねば…」という闇が表出させられた。

確かに大切な人を失った代わりの今の自分を許せないという小石川さんの思いも理解できるし、そんな状況や運命から自分を救ってくれる人がいなかったことへの行き場のない悲しみや憎しみにも共感できる。

だけど、「私なんか助けないで」「あの時、助けてくれなかったヒーローが憎い」という小石川さんをSHYは救う。それは誰かを助けることを恐れていたSHYを、その小石川さんこそが肯定してくれたから。そして、ここでSHYが救うのは、ただ憎しみと悲しみを暴走させた小石川さんだけでなく、そんな小石川さんに至らしめた彼女の抱える「助けを求められなかった心」なんだと思う。

こうしてSHYはヒーローの自覚を強めたわけであり、「人の心を明るく照らす」というヒーローの使命も今一度確かめることになった。今回のこといえば、翻って自己破滅に陥ってしまっていた小石川さんの優しさを明るく照らして、本来の「自分以上に誰かの無事を祈る」小石川さんの心を取り戻したのだと思う。



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