こういう逆異世界転生ってはたまお1期の頃にいくつかあって、また直近で改めてトレンドになりつつあるとこで、この作品が戻ってきたのはなかなかおもしろいわよね
そして、この日常色強めだけど、そこに天界や魔界のいざこざが絡んでくるというはたまおのおもしろさの根本を描ききれていて、派手さはなくともまずまずな出来なのかなと
キャラデザはこれってむしろ原作絵に近くて、そういうことなんだーとなった
相変わらず立場と強さの割にノリの軽いガブリエルだったな……
それに、ライラから明かされる魔王サタンがこの世界に飛ばされてきた真の意味の一端は、2期0話的なエンディングでした
漫画を貸すなんて口実を付けて、山田が市川をデートへ連れ出すクリスマス。
デートということを信じられなくて、「デートみたいだ…」なんて思ってしまう市川もそうだし、そんな市川を無理やり連れ回す山田も、いつも以上にお互いを意識して挙動不審に拍車がかかっていたように見えていた。でも、そんな姿がどこまでも純情だった。
それに、分かっていながらも「かわいい」と真っ直ぐに言ってくれない市川にやきもきする山田は、この曖昧でスレスレな二人の関係をありえりと描いていた。そんな中でも、服屋さんで市川が「似合ってる」と言ってくれたことに、今はそれだけでも堪らなく嬉しいという表情を浮かべる山田も、それはそれでこの付かず離れずな想いの触れ合いの心地よさを感じさせていた。
でも、最後に手汗まみれの手を繋いだ帰り道は、この曖昧な関係にも輪郭が少しずつ浮かんでくるように見えていた。もう、この胸の鼓動を知らないフリはできないみたいだった。
クラシック最後の一冠、それが菊花賞。
ナリタトップロードがアドマイヤベガに勝つためには、今までとは違う走りでないと勝ち筋は薄いというのがトレーナーからも諭された道理だった。だけど、ナリタトップロードはそれを否定する。それは、きっとみんなの応援のもとに練習を積み重ねてきた自分は裏切らないんだということを証明したいからという思いがあって、だからこその「みんなが信じてくれた私の走りを、私が信じたい」という言葉なのだと思う。
アドマイヤベガが走る理由は、自分に走ることを託した妹のため。それをアドマイヤベガは、彼女の命を取ってしまった償いという後ろ暗いものとして捉えていた。だから、アドマイヤベガにとって、どこまでも真っ直ぐなナリタトップロードが眩しくて仕方ないように見えていた。
だけど、そんなナリタトップロードがアドマイヤベガの走りを目標であり、ライバルと言ってくれたことが何かを変えたように感じた。ずっと暗闇の中を走っていたアドマイヤベガに、光を分けてくれたような感覚。それは、アドマイヤベガの走りを肯定してくれるようなものだったのだと思う。
そして、アドマイヤベガにとって、それこそが自分がただ純粋に走ることを楽しむことを許してあげられるきっかけとなり、亡き妹の「お姉ちゃんに楽しんで走って欲しい」という本当の願いに彼女がようやく気付くきっかけにもなったのだと思う。
常いかなる時も自分自身に誇りを持ちながら、二人を導くライバルでもあったテイエムオペラオーも含めて、そんな3人が集ったレース。そうやって自分自身を信じ、ただ純粋に勝利を目指して走りたいという想いが一つになったレースが、この菊花賞という舞台だったように思う。
LINEをそれとなく交換したい山田とそんな意図には微塵も気づかないどころか、こんな自分が...とむしろ跳ねのけるような市川。
そんな市川に耐えかねて、他の男の子と仲が良いとか言ってみながら市川の気を引こうとする山田は必死すぎてかわいいのだけれど...。それは、市川の気づきつつある山田からの気持ちを、そんなワケないと本能のように反射で否定してしまう心を強めてしまってもいて...。
そんな果てに、山田からの急なアプローチに対して、市川が出した「寄ってくる悪い虫を払いのけるために、自分は山田に利用されている」という答えは、どこまでもちぐはぐ。そんなお互いの気持ちを通じ合わせることのできない不器用な二人になんだか涙が伝ってきてしまった。
だけど、涙を流す山田を見て、市川は山田はそんなやつじゃないと気づき直して、想いを受け止める様子は、市川が何よりも自分の心の中のヤバいやつに正面から向き合えたからこそと感じた。