見方で変わる『物語』の捉え方
■ジャンル的な視点
少年漫画的
「目標を達成するための物語」
巨悪殲滅、全国制覇、恋愛成就など。
なろう的
「願望を満たすための物語」
人生やり直し、知識無双、スローライフなど。
この作品は、しっかり研究を重ね
『既存の良い所を上手く束ねた物語』と映ったりもする。
■キャラ個別の視点
「勇者PTが魔王を倒す物語」が終わり、
「人の想いや感情を知る物語」が続いていく。
だが旅をする仲間、すれ違う人々、倒した魔族など、
フリーレンに限らず彼らにも歩んで来た道があるはずだ。
この作品は、断片情報からの想像で
『それぞれが主人公になり得る物語』と感じる人もいるだろう。
■テーマ的な視点
魔族は人間の捕食者であり、人間の価値観を理解できない。
しかしコミュニケーションが全て成立しないわけでもない。
では人間側は《魔族を全て殺し尽くして解決》で良いのか。
うまく共存はできなくても、敵対以外の可能性は無いのか。
この作品は、異質な魔族の設定を用いた
『相容れない者同士がどう決着するかの物語』とも言えよう。
■メタ的な神の視点
かつての仲間も敵も見送ってきた葬送のフリーレン。
主人公は《歴史の観察者》であり、故に物語は淡々と進む。
私たち観測者は、"中間"に立つ彼女を介して様々な物語を集積し、
1人だけが世界を救ったわけではないことを徐々に理解していく。
この作品は、ヒンメルの死を軸とした
『世界の変化を俯瞰し見守れる物語』と受け取ることもできそうだ。