トリガーによる傑作ショートアニメ。
トリガーと言えば、ガイナックスの血筋を引く、国内でも最強クラスのアニメ制作会社です。
そんなトリガーがガイナックス時代も含めた自分たちの作品のエッセンスを集め、自社パロディ的な色合いを出しながらアニメを作ったら、どうなるか?
その答えがこの宇宙パトロールルル子です。
戦闘服がダサめの銃に変形するケレン味、ショートアニメ故の速いテンポで進む話、どこかおかしい世界観設定などなど、トリガーらしい味が一話目からあふれています。
その後第二部での親子対決で、物語は一気にヒートアップ!
そこから続く第三部ではちょっと勢いが落ちましたが、ちゃんと物語として必要なことはこなしてました。
そして激動の第四部からの最終部!
人間は一度死んだくらいでようやく一人前、そんなぶっ飛んだ価値観と共に、ハチャメチャな物語が超高速で展開します。
最後まで見終わると、不思議な満足感とともに、トリガーの作る次回作への期待が持てました。
全編を通して『普通』『中学生』『初恋』といったワードが語られ、それらが最終話で一つの意味を持ちます。
ここまでピュアな初恋をテーマにしたのは、トリガーのスタッフが作る作品の中でも、相当珍しかったのではないでしょうか?
その珍しさに、過去の自社作品のパロという要素をかけあわせ、まったく新しいアニメにした。
そのトリガーの手腕には脱帽です。
くだらないギャグアニメかと思ったら、急に熱くなったり、絶望に落とされたり、また熱くなって、最後は笑顔になれる。
宇宙パトロールルル子――この作品が私は大好きです。