蜘蛛を操る鬼とのバトルをメインに話が進行された回です。
人間を操り人形にして、必要なくなったら首を折り捨てる。
炭治郎も思わずブチ切れるくらい、非道なことをしている――というのが人間サイドのこの鬼に対する味方でした。
しかし鬼サイドから見ると、この母親の鬼はいち早く人間を倒さないと、夫から『お仕置き』をされる。
だから無茶だってするし、使えない人間には苛立って殺してしまうこともある。
この辺りの視点による状況の違いを描いたのが見事だと思いました。
最後には炭治郎も母親鬼が殺されることによる救済を望んでいることがわかり、苦しまない技でトドメを刺す。
結果として母親鬼は今まで忘れていた人間としての優しい心を取り戻し、死ぬことができた。
とてもいいまとめ方だと思います。
そこへさらに過去の記憶を出しながらも断片的にしか語らないことで、視聴者に考察を余地を与える――本当によくできた回でした。
あの回想は母親鬼が想い人を殺した記憶なのか、それともさらに鬼の家族に関わる伏線として用意されたのか。
さまざまな考え方ができ、先が楽しみになりました。
唯一残念だったのが、善逸のシーンが物語のテンポを乱し、若干蛇足気味だったこと。
後々遅れて登場するなら、ここでわざわざ善逸の様子を描く必要はなかったと思うのですが、キャラ人気や声優さんの都合などでそれができなかったのでしょうね。
アニメ業界の大変さの片鱗を感じるシーンでもありました。