絵柄や空気感はシリアスながら、ところどころでシュールな笑いや、独特の楽しさを味わわせてくれる『ザ・リフレクション』。
その今作もいよいよ折り返しの後半に入り、前回の王道な引きから一変…
今回ほどサブタイトルに重みを感じることはないというほど、ヒーローもの特有の険しい展開になっていく。
まず颯爽と現れ「ショータイムだ!」と決めた…つもりになっていたアイガイに対し、
ショータイムの賛同で攻撃を仕掛けるスティール。
ここからフレイミングとエクスオン、リサとスティール、
そしてアイガイとデッド・ウィングと、善と悪の主要リフレクティッドたちの怒涛のバトルが始まる。
よくあるヒーローものであれば、こうした揃い踏みの戦いは、
実にストレートでアガるシーンとなるだろう。
しかし…
今作における今回の場合、1話から見てきた視聴者としては、
ここはそうした興奮シーンというより、どこか危機や焦燥に駆られるシーンになっている。
なぜかと言えば、一つの作戦のために同じ方向を向かって容赦なく進む悪玉に対し、
それに対抗するヒーローたちは、エクスオン以外まだまだ力不足だし、
気持ちもバラバラであれば、アイガイなどは背景も見えてないまま戦うゆえに、
善玉が勝利するための連携もとれない。
そして、そうした集団としての“繋がり”の薄さが、厚いスティールたちを抑えきれず、
エレノアは初めて見る相手に苦戦し、そこから残酷な現実をつきつけられてしまう。
そして、それがまた、その後アイガイことイアンにも、
エクスオンに投げ飛ばされた叱責と、そこをレイスにつけこまれることで、
『ザ・リフレクション』史上、最も悲惨な事態を招いてしまう…。
前回までは、この壮大な世界観には期待と同時に「1クールでまとめられるのか…?」という不安もあったが、
今回の終盤で、今まで明かされずにいたイアン及びアイガイの背景を、
見事な手際でさらりと語り尽くし、
また物語も急角度ながら確かに心持ってかれる展開に、
ストーリーとしての厚みも十分に感じれた。
いよいよ後半・クライマックスに向けての躍動を見せた今作。
自分でも驚く程、まだまだ毎話長文レビューさせる『ザ・リフレクション』でした!