娘に勝利宣言をする母親を観るとは思わなかったw
今までの岡田麿里を煮詰めたみたいな内容だと感じました。かなり好き嫌いが分かれる作品ですかね。
秩父三作品みたいな生生しさ溢れる青春恋愛物と、さよ朝みたいな親が子供を思う内容を掛け合わせたような。
その分、少し焦点が分かりづらいようにも感じました。
前者については、出だしからの下ネタとか生理的な臭いみたいなものを意図的にセリフに盛り込みつつ、
正宗・睦実の何回好き嫌い言い合うんだってくらいネットリした関係性、
その締めである長いキスシーンが印象に残りました。
流石に何年間も中学生をやってるだけあって、駆け引きもキスも大人顔負けですねw
車で列車を追いかけるシーンで正宗がラジオに逐一ツッコミを入れるのも、
若い勢いで突っ走る岡田麿里のキャラって感じがしてよかったです。
後者で一番印象に残ったのは正宗の母親ですかね。
叔父に行為を向けられてるのを認識し、「世界」の最後に言い寄られそうになっても、
「最後までいい母ちゃんやりたい」ってセリフはカッコよさすら覚えました。
あの世界は結局続くみたいだけど、色ボケじじいを振り切って最後までちゃんといい母ちゃんやってくれ・・・
五実ちゃんはあの話し方で外で一人でやっていくのは相当心細かったと思うし、
辛いことも多かったでしょうが、最後の最後に大人になった姿が見られてよかった。
やっぱり久野美咲さんはすげえやって終始思いますよね。
寝ているときの息遣いも含めて細かいところまで子供の演技ですし。
最後のシーンで大人になった役の久野美咲さんがレアだったので、ちょっと嬉しかった。
背景美術については東地和生さん、やっぱり空の描き方が心象的で美しいですね。
今回はストーリー上、空にフォーカスが当たることが多いのですが、「まぼろし」の向こう側の空が、
さよ朝キービジュの空みたいで、開放感・解放感のある空でした。
主題歌は中島みゆきさん、独特なネットリとしたかつ力強い歌声ですが、
作品と相まった歌詞で「未来へ君だけで行け」と歌われると最後に電車に乗っけた睦実の覚悟に説得力が出るなぁと
クレジットを見ながら思いました。
細かい設定?そんなもの神機狼にでも食べさせておけばよいですね