毎回クスっと笑えて、それでいてすごく暖かい、素晴らしいハートフル作品でした。
自分の仕事を娘に隠しながら暮らす日常を描くという、そのテーマに惹かれて観始めましたが、まさかこんなにも暖かい物語だったとは…後藤先生の姫ちゃんの幸せを願う優しさと姫ちゃんの無邪気な振る舞いに、観ている私まで優しい気持ちになりました。
特筆したいのは、やはりエンディング!大瀧詠一自身が歌う「君は天然色」をこの作品に起用したそのセンスに脱帽です。最初、曲の雰囲気で選ばれたのかなと思いましたが、観進めていくうちに、歌詞がこの作品にぴったり合ってることに気が付きました。「思い出はモノクローム色をつけてくれ」という一節はそういう意味だったんだと…素晴らしい作品をさらに昇華させる最高の選曲だったと思います。そして、その音楽に負けないくらい映像も完璧だったのも大きく評価したい点です。
そんな「君は天然色」の歌詞のごとく、自分が描いた漫画によって失った記憶を取り戻すシーンは鳥肌が立ちました。自虐的に漫画のことを言うことが多かった後藤先生でしたが、先生にとって漫画は「生きた証」そのものだったんですね。そして、そんな漫画よりももっと大切な、姫ちゃんと幸せに暮らす為の糧でもあったからこそ、漫画によって記憶がゆり戻されたんだと思うと感動しました。とても、この作品らしい最終回だった思います(原作はまだ続いてますが…)。
作画も演出もストーリーも非常に丁寧に作られていて、本当に素晴らしい作品でした。個人的には、新規作品で今期一番良かったと思います。
メモ
Date:2020/4/3-2020/6/28
Score:88
Ranking:1