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良い

島の死生観(それによって生じる普通に想定される、悲しむことではなく笑顔で見送る死の悼み方の変化)と普通の葬送の形式との振動が興味深い回でした。鞍馬と火の気について、鞍馬の火傷跡でもう一枚裏がありそうで、鞍馬の人生観にも興味を惹かれます。噴火災害時にはヘルメットを被るような普通と、アヤカシによって生命を奪われる場合のそれを自然なものなのだと受け止める特殊と、その特殊を受け止められない人々の存在と、観光地区においてはその死生観(アヤカシ)によって奪われることを遠ざける結界と、そんな中で生じた普通の、人と人との交流、行人といばらの、静かに死を悼み、落とし物を届けて、届けられてお礼を言う、出来事が、それらをひっくるめてなんともいえず、好きな回でした。あとやっぱり、(ベタっちゃベタですけど)主人公がヒーローしてかっこよかったです。



全体
良い
音楽
良い

 なんだか妙に、いっこいっこの描写、言葉に妙に懐に収まる感覚がありました。(面白さとしては)よくわからないしこども向けとしてどうなのよ、みたいなところも多分にあったと思うのですが、そういう普通のこどもではなかった変だった"子"向けにはそうでなくちゃならなかったような気がして、面白くない!と突っぱねたくはないような印象を見ている最中は持ちました。
 見終えた後から、俗に言う(言うのでしょうか?)パンツ脱いだ創作ってこういう感覚なんじゃないかと考えました。この認識が当たっているのか、他人の内面を見ることはできないのでわかりませんが、自分の中の"こども"と真摯に向き合った結果出力されたもののような気がしました。
 クライマックスでしんのすけと非理谷充(みつる。このネーミングは正直天才!と思いました…)にある「頑張れ」という言葉が投げかけられます。私はその言葉を普通に自然に受け取れなかった"子"でした。その言葉を受け取れる形を持てなかった"子"で、重荷にせずにどうすればいえるのだろうと思って口にするのを躊躇ってしまう大人ならぬ"大人"になった身には、(そうはいっても私は違う人間だったので、この映画で示された形は全くぴったりとした自分の解とはなりませんでしたが)ひとつの形として、そういうのもありか、という、一人の隣人を見た気分にはなって、腑に落ちるというよりはポケットに収まったような気分の一番良い状態でエンディングを聴きました(つまり視聴後の満足感が高い映画になりました)。だからというのもあって、主題歌「Future is Yours」サンボマスターも好きです。
 「頑張れ」という言葉が(もちろん私にとっては)嫌ではない形をしていて好きになった映画でした。SEEDパロ(たぶん)や怪獣のキモさ(しかし好きか嫌いかでいえば割と好きです)、月刊ヌー(とんでも本)の予言や妙に饒舌な超能力分類解説などのサブカルネタ(…という言い方でいいのか自信ありません。オタクネタと言ったほうが良いでしょうか)が面白かった印象で残っています



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