ま さ に ア イ ド ル
もっと多くの人に見てほしい作品。どうしてこんなに視聴率が低いのか解せない。例のシーンだけじゃなく本編も見て!
アニメとして非常に完成度が高い。ストーリーがしっかりまとまっていて過不足のないテンポの良さ、ギャグとシリアスの塩梅、そして作画。どれをとっても最高。人や時間などのコストをじっくりかけ、愛をもって本気で臨んだことがひしひしと伝わる。部長の掘り下げが浅いとか謡舞踊部そのものなど細かい設定があやふやとかそもそも中学生がこんなハイクオリティな歌を作れるのかとか、そんなのどうでもよくなるくらい良かった。
このコンテンツの主題である「夢」。夢を諦めた人々がもう一度夢を追いかける。そのひたむきさ、一生懸命さがとにかく心打たれ、元気が出るものだった。誰だって夢を見ていいんだ。彼女たちはそれを我々に教えてくれた。私の諦めた夢って何だっただろう?
アイドルものはどう転がるか分かったものじゃないので、とりあえずどうなるか静観していようかなと見ていた。予告PVの滑らかな動き、1話からすでに漂う百合の波動などもあったが、学園アイドルもの・部活ものの定番を抑えた感じでまだまだパンチが足りないかなと思っていた。しかし、6話から爆発的に面白くなり、もしやこのアニメはいけるのではないかと。そして7話を見たとき、全編2D作画ライブのとんでもないすごさに圧倒され、この時点で優勝を確信した。アイドルものはしっかりアイドルしているからこそいいんだよね。
このアニメを語る上で、「キラメキFuture」「OvertuRe:」は絶対に外せない。曲名から歌詞から対になってるのまさにエモ。何といっても歌詞が強すぎる。未来と始まりを強く意識したその歌は、ストレートに身体に響いてくる。キラメキFutureは、すでにKiRaReみんながいることが前提で輝かしい未来を見ているように感じる。対してOvertuRe:は、今まで一人だったけれどみんなと出会えてついに始まるんだという希望を感じる。言っていることは似ているようで違うようで、でもどちらも明るい歌だ。歌詞をここまでしっかりと感じ取れたことなんてそうそうない。綴られた一言一言にこめられた意味が深い。OvertuRe:を生みだせたのはキラメキFutureのおかげだが、それはただ単なる進化前後とかいう関係ではなくて、この2曲が対になっているからこそお互いがお互いの強みを最大限引き出していて、それぞれが映えるようになっている。どちらか一方が欠けていれば、その歌の魅力は弱まるだろう。本当によくできた構成だ。それを踏まえたうえで、個人的にはOvertuRe:が大好き。以前に作った曲をRe:メイクするなんて、今まで見たことがない。よくこんな発想できるな。曲だって、サビの和音にさらに高音を重ねるなんて反則ですよ。こんなの胸が熱くなるに決まってるだろ!聴いて4時間は興奮して本当に眠れなかった。感情の昂りを抑えられないまま寝ようとする方が無謀なんだよな。曲の中にリメンバーズなら感涙の仕掛けが仕組まれているのも憎いね。
みんな仲良しすぎて、それこそ9話とかもう百合じゃん?とさえ思うのだが、それほどKiRaReの結束が強いのだと思い知らされる。私の目には、LOVEに限りなく近いLIKEに映った。それぞれの関係性をしっかり描いてくれて、見ていて気持ち良い。KiRaRe以外でも、オルタンシアなど他グループの関わりを持たせたのは非常に良かった。紗由さんと珊瑚はどこか似たもの同士に感じられて面白く、碧音と舞菜はお互いの繋がりと成長が見え