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とても良い (5.0)

「……だれ?」
 状況は悪化するばかり。絶望を象ったかのような現実が、双眸に映し出された。楽しかった日々、幸せな日常。それに大好きな「めぐねえ」。幻想はその強度を弱めつつある。
 はじめから、きっとわかっていた。あなたがもう、そこにいないことを。
 お別れのときが近付いていた。
 これまで、そして今このときでさえ、わたしを導いてくれた先生。
「この先何があっても、その笑顔を忘れないで」
 壁一枚の隔たりで、あなたは遠い世界へ旅立ってしまった。でも、もしかしたら、今もその向こう側で微笑んでいるような気がして、扉を開けて――でも、そこにはやはり、誰もいなかった。
「ばいばい、めぐねえ」



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