セレクターバトルから十年後――。
大人になったるう子は、行きつけだったカードショップへ向かう。
店長も齢で、閉店してしまうようだった。
久方ぶりについたカードショップには、懐かしい顔ぶれがいる。
それぞれがそれぞれの理由でここに集まったようだった。
若いバイト女性の店員が、せっかくなので、とデッキを渡してくれた。
少し違和感がある。つぶれそうなカードショップにそぐわない。
るう子はそのデッキを開く。
そこには「あの頃の自分」がルリグになっていた。
「“彼女たち”を忘れて、幸せになんてなれませんよ……?」
バイト少女の声に、ハッと我にかえりあたりを見回す皆。
気づけばそこは、見慣れぬ形状をしたバトルフィールドだった――。