歴史の連続性が途絶えるほどの未来、世界はその姿を大きく変えていた。
それはどこまでも続く巨大な廃墟の世界。
海や大地は姿を消し、過去の風景は廃墟から発掘される『記録』の中にのみ存在していた。
記録を発掘 ・復元し、そこから過去の世界を分析する。
これらの作業を一手に引き受ける施設『記録発掘局』。
この世界で92番目に設立された発掘局に、ウラはいた。彼はあらゆる記録に、過去の世界に埋没していた。
彼を遠くから見守る距離に、いつもリコがいた。彼女は記録に背を向けていた。
こ の 世 界 の あ ら ゆ る 人 間 は 知 っ て い た 。
過 去 を 知 る こ と は 、 こ の 現 実 の 不 幸 を 知 る こ と だ と 。
ある時ウラは、奇妙な映像記録を復元する。
独特の謎めいた、閉じられたような世界、世界観にまずは引き込まれた。(監督のツイートによると「BLAME!」の影響を受けているらしい。確かにどこか似てるかも? https://twitter.com/yoshiura_rikka/status/872782173958414337)
ウラが復元する記録によって徐々に明かされていく世界の謎。短編だけれど、物語に引き込まれる構成も良かった。
真実を追っていったウラ、現実なんて見たくなかったリコ。どちらの気持ちにも共感できるけれど、自分ならやはり知ってしまいたくなるかな……。
終盤の、世界の現実がわかるシーン、ウラが見た風景に、後の「サカサマのパテマ」に通じるようなものを感じた。