TVシリーズは野クルのわちゃわちゃ日常系の面が主だった一方で,劇場版は大人になっている設定ということでテーマ性のあるシナリオ展開でした.
キャンプ場を作るズラ!と始まり順調に思えたが中盤キャンプ場から土器が見つかったことで採掘現場になりキャンプ場建設計画は頓挫.
この報告を受けた野クルの面々何かぽっかり穴があいたままいつもの日常に帰っていくわけだけど,その中でなでしことリンちゃんの会話が良かったです.
「大人になれば何でもできると思ってた」
学生の時からお金も増えたし免許も取って活動範囲も広がったけど,一方で学生の頃には無かった「責任」がつきまとう.自分一人で生活しているわけではないし,誰かがいるからこそ何でもかんでも好き放題やれるわけではない.キャンプ場建設計画に力を入れるばかりに先輩に負担をかけてしまったリンちゃんがそう話すシーンに思わずうなりました.
そんなちょっとネガティブなリンちゃんを前向きにするなでしこの存在がまた良い.
「大人になって、 ,全てのことは多くの人が関わって成り立っていることを知ったし,私はそんな皆にもキャンプ場の楽しさを知ってもらいたい!」
多分この他者との協調みたいなのに気づいた野クルメンバーの成長が伝えたいテーマの一つなんじゃないかと思いました.
その結果として建設中止の時は採掘側の歴史資料館にする企画に対して敵対する思考だったアキちゃん,今度は採掘側の民俗観光要素と自分たちのキャンプ場への熱を折衷する案を提案.無事に企画は通り,キャンプ場は完成.TVシリーズの面々や劇場版で関わった人たちが訪れて大団円!
終わり方は多少あっさりしてたかなとは感じたけど,野クルメンバーの気付きと成長は伝わりました.
演出面では音響へのこだわりを感じました.5.1chサラウンドがすごいみたいのは事前に聞いていたけど夜明けのキャンプ場に漂うサーーって音とか本当に回り取り囲んでたし,途中カニ鍋を黙々と食べるシーンは飯テロ作画含めて本気だなと感じました.
120分で起承転結しっかりまとまっていて,テーマ性も十分.満足度は高かったです,評価はS+でいいんじゃないかな!