完結、か。
久美子と同い年なんだよな。お互い濃密な3年間だったね。
高校の吹奏楽部は不思議な空間だ。毎年メンバーが変わる中、一年に一度の大会のために一年間練習を続ける。理不尽で取り返しのつかないこともたくさん起きる空間だ。でも、私はここが好きだ。たった三年、三回しかない大会にすべてを懸ける。この濃密な時間がたまらなく好きなのだ。
私は音楽も、吹奏楽も好きだったけれど、あの濃密な時間が、一瞬一音にすべてを懸けて想いをのせて吹くことが、メロディを繋いでいくことが、確かにたまらなく好きだった。
なんか、大学以降で音楽続けなかった理由たぶんこれなんだよな。あの時以上の濃さは味わえないし、あれ以上を自分が音楽に対して懸けられる気がしなかった。久美子はすごいね。