ジンがミラの結婚に口出しする展開にするならもっとジンとミラに共通点なり持たせてほしかった。ミラは月光剣法を最強と知らしめるためにGOHに出ているんだから、それを一足飛びに解決する手段が見つかったならGOHを捨てるのは当たり前。
ミラもミラで、自分の実力で月光剣法を広めたいと思っているならそれをもっと表に出して視聴者に教えるべき。
いきなり知らない実業家と姉が結婚しそうになってるのに無邪気に喜んで、土壇場で後悔し始めるミラの妹もアホにしか見えない。
あと、こういう展開にするなら実業家をもっと露悪的に描いたほうがよかったんじゃないかな。
ようやく千水と兼六のバトル描写も入り本番突入…だと思うんだが、盛り上がりがなくてダレる。
千水がバッタバッタとジビエをやっつけていたが、モブ兵士の銃がダメで、刃物がジビエに通じる理由付けが欲しかった。
視聴者に向けたパンチが一番必要な一話に説明回。
う~ん…言っちゃ悪いが爆死の予感。
ていうか、現代視点では「サムライ/ニンジャを自称するヤバイコスプレ男」でしかない千水と兼六をフツーに信じちゃってるのが最大の謎。
組長はナツメに戦い方を教える。やはりナツメに死んだマイキーの姿をダブらせているのだろうか。
やっぱり主人公は修行をして強くならないとね。こういう描写をしっかり挟んでるのは嬉しい。
拳法家とマンソク、女レスラーとインテリ眼鏡が早くも退場。主要人物3人の掘り下げも終わったところで、ここから物語にアクセルがかかることに期待。
アクションのクオリティは今回もグッド。だが、「この作画が終盤まで保つかな?」と心配になってしまう。
MARVELの『スパイダーマン』に似た、望まずヒーローの力を得てしまった者が本物のヒーローになっていく物語なのだが、優れたアクションに比べてストーリー面では凡庸、という感想に落ち着く。
先人である『Infini-T Force』と同じく、スーツアクターによるアクションを取り入れた殺陣はまさに超絶技巧。普通の剣とは似ても似つかないウルトラスーツのスペシウムブレードやエーススーツの袖からのビームソードもちゃんとスタイリッシュなアクションに落とし込まれていて、セブンスーツの剣さばきなど正統派のアクションもカメラワークも相まってしっかりかっこいいものになっている。
演出面でも、元ネタであるウルトラマンの技をしっかり現代風に落とし込んでいてグッド。
しかし、脚本・キャラクターの面ではどこをとっても「普通に面白い」の域は出なかった印象。進次郎のヒーローとしての成長はきちっと描ききっていたが、物語全体は2クール目前提ゆえにブツギリ感があり、不完全燃焼感はどうしても残る。
目につく問題点もいくつかあって、例えば、SSSPの大人たちだ。彼らはウルトラマンの因子を持つ進次郎をウルトラスーツの装着者に任命し地球防衛の任務を与えるが、進次郎はスーパーパワーを持っているとはいえただの高校生であり、その両肩に「日本の平和」という重すぎる任を与えてしまったことに対して、何も感じていないように見えてしまう。それどころかSSSPは進次郎をウルトラマンとして覚醒させるためにジャックの手引で実質的に怪獣を進次郎に差し向けるなど正義の味方とは思えない所業にまで手を染めている。未だに謎めいた存在であるゼットン星人はいいとして、イデは進次郎の知己でもあるのだから、もっと思い悩んでもいいのではないだろうか。
関連して、ダンが戦場においては甘ちゃんにすぎる進次郎にキツい態度をとるシーンでも、「その前にその怒りの矛先はSSSPの大人に向けられるべきでは?」と思ってしまう。
また、SSSPの職務の範囲もいまいちわからない。犯罪を犯した宇宙人の撃滅、というのはわかる。しかし進次郎は宇宙人の関わらない事故や事件にもウルトラマンを装着して出動しており、SSSPの所有物であるはずのウルトラスーツが進次郎の裁量一つで運用されているように見えてしまう。
そのせいで間接的に一般人にウルトラマンの正体がバレかける、というポカもやってしまっており、全体的にSSSPが迂闊に見えてしまう。
正確な評価は2クール目を見てからでないとなんとも言えないが、先も述べたように現段階では「普通に面白い」の域は出ない作品。