生々しい殺戮シーンが他作品とは一線を画す。見ていて、これ以上見たくないと思う作品は稀だ。それだけ妥協することなく丁寧に作り込んでいることの証左だ。
「ゴブリン」は、余り強くないとされるモンスターだが、油断しているとああなるとの例示は、この作品自体の世界観をも、いわゆる「ファンタジー」ではないと示すことにも繫がる素晴らしい演出だ。
最近になり「異世界」ものを一気に見まくった。対立する世界軸での少年と少女との戦場での出逢い。このパターンのものは、見たものには無かった。魔法と科学、根本的に相容れないものに「不殺」の決意で立ち向かう少年と「魔女」と畏怖されヴェールで顔を隠し、素顔を見せまいとする少女。
戦場で、劇場でと二人の「素顔」を描いた初回。前作魔王の実力派監督が二人体制で取り組む本作は、期待できそうと予感した。合成に違和感を感じないのは大きな利点だ。
エレナの制限を一切感じない自由な動きを見てしまうと、冒頭のネウロイとの戦闘シーンに塊としての制限があるように感じる。コンポジットがうまく調和してなく、少し違和感を感じる所があった。