Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
普通

リディアの死を阻止することで道が開ける可能性に懸けたくなった平行世界のヴァルヴァトスの心情はわかる。むしろ、アードからその案を切り出し、
平行世界のヴァルヴァトスが提案を拒絶して袂を分かつ展開のほうが自然だったのでは。凡庸ではあるが、本作はその逆のことをやっている。
歴史物にも、脚色によって、展開は定説と異なるものの記録上は歴史書と一致する、という設定は先例がある。
(『スパルタカス』。歴史書では反乱兵スパルタクスは処刑されたことになっているが、ある舞台作品で
カエサルがスパルタカスの武勇を惜しみ、表向き処刑したことにして彼を解放した、としている)
現代人が史実と認識している事柄は、あくまで「歴史書に書かれていること」にすぎないから、歴史を変えたくないのなら
「歴史書さえ」変わらなければ良いだけだ。転移した過去の世界は専制社会で、魔法の世界なのだから大本営発表など日常茶飯事だろうし
真相を隠すことは一定期間、一世代くらいでも可能ではないだろうか。
頑固で魔法耐性の強靱そうなリディアを懐柔しなければならないという難題が立ちはだかるが。茨の道ではあるな。



Loading...