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全体
良くない
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
良くない
音楽
良い

評判が悪いのも頷ける出来でした。
作画は多少荒く感じますがそれは湯浅監督の持ち味で、キャラクターも個性がありました。地震描写もダイナミックで、リアルじゃないけど見ごたえはあります。主人公役の上田麗奈さんの演技もとても良かったです。楽しげな雰囲気からわがままな口調まですごく聞かせてくれます。

なので、一番悪いのは何よりストーリーです。まず本当に軽率に家族や身近な人が死にます。災害で命を落とすのは現実ですが、このアニメでは誰かが死んでもその後、その人の死を思い出したり偲んだりするシーンがほぼ無いです。だからキャラ達に共感ができません。人の悲しみとかありがたみを気軽く描きすぎていて、見ているこっちとキャラのテンションに大きな違和感が発生します。食料もろくに無く、怪我を負った状態で、中学生と小学生の姉弟が目の前で両親を亡くして、数日で忘れて元気に生きていけるとはとても思えません。
そしてレイプや窃盗などの犯罪はまだしも、体の一部が吹っ飛んだり、夜の営み的なエログロ描写も、災害がテーマの作品でやることじゃないし、津波の中を泳いだり、生身で気球で空に上がったり、何メートルも落下しても無事でいられる、物理的におかしい描写が多いです。
スポーツや五輪をほのめかす描写も、この疫病なご時世ではため息しか出ないし、マイナンバーなどの政治色を出されても何も響きませんでした。日本が嫌だとキャラが何度も口にしますが、いくら英語が話せても国外では移民扱いになるので、温かい歓迎を受けるのは難しい過酷な現実があると思います。が、この作品はハッピーエンドなので、主人公たちは夢を叶えて有終の美を飾ります。……興醒めです。



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