面白かった。
一人の人間が何かに全力を捧げて努力をしてるのを見るだけでも面白いのに、それでいて、何のために走り続けるかという葛藤をいろんな人間のいろんな価値観の下で見られて面白かった。
登場人物一人一人が考えていることをちゃんと深掘りされていて、迷いながらも走っていたり、迷いを超越して走っていたり、ただ100mを走るというだけの作品にここまでの深みを与えられるのが素直にすごい。
ストーリーは、二人の男の子が小学校・高校・社会人と成長しながら走るってだけだけど、それを自問自答・掛け合い・イベント発生とそれに対する向き合い、これだけで面白くしていて、余計なものが本当にそぎ落とされる。面白いって何なのかってことをよく考えるんだけど、この作品を何回も見たら少しは理解に近づけるかもしれない。そんなことを思わせてくれる作品。
映像もかなり凝っていてよかった。全体的に、ロトスコープ?っぽい手法なのかな。ただのロトスコープじゃなくて、場面に応じて・強調したいものに応じて、外連味たっぷりに画面を作っているところが好きだった。画面の質感が作中の中で何回か変わっていて、そういった面も飽きなかった。髭男の主題歌も歌詞がまじでいい。刺さる。言うことない作品だった。惜しむらくは、これを劇場で見られなかったこと。