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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

‪「片付けたほうがいいものとそうじゃないものの違いがわからない」‬
僕には11話のこの六花の一言がとても胸に沁みました。葛藤の中で自室の宝物たちを懸命に選びとって片付けているときに思わずこぼれる言葉なのですが、自分にとっての大切なものが世間から見てどういう風に見えるのか、そんなこと誰にもわからないのですけど-なんとなく-なおざりにしている、そんな感覚が濃密に詰まった一言に思えました。
最後の芳忠さんのナレーション(1話ぶり!嬉しいー)「それは人の中で生まれてから死ぬまで延々と繰り返される、果てしなく繰り返される、哀しくて恥ずかしくて愛おしい自意識過剰という名の病。自分という名の避けては通れぬ営み。そう、人は一生中二病なのだ…。」で語られた通り、所詮は程度問題で誰もが生涯抱え続けるものなのですよね。
とりわけ中学生期の前後は周りの目が気になる頃でもありちょっとした変わった行為が目につきやすく「中二病」という言葉が生まれたのだと思いますが、好きなものに邁進することそれ自体はなんの不思議もないことですし、ある程度年齢を重ねると他者のその行為に寛容(無関心)になり許容できるようになっているだけだということも多いのだと思います。
とかくからかわれることの多い「中二病」問題を京アニのかわいいキャラクター達が演じることで巧みに緩和し、誰にでもわかりやすい形で着地させてくれた良作だと思います。
また、女性キャラクターがとりわけ魅力的な作品だとも思いますが、丹生谷モリサマーの前に凸守が現れたことでそれまでサブ感溢れていた2人が強力な魅力を放ち始めるところが個人的なおすすめポイントです。対になることで魅力を放ち始めるといえば誠の前にくみん先輩が現れた時もそうだったのですけどそれは誠の方だけで、くみん先輩は端っから魅力全開だったので次点の関係とさせていただきます。
笑いを誘う場面では声が出るほど、シリアスなシーンでは嗚咽が溢れるほど前後半で振れ幅の大きい作品なのですが、前半のコメディのエッセンスが後半になって効いてくるところも重要なポイントですので楽しみに鑑賞していただきたいと思います。
年明けには劇場版の新作も公開されることですし心から楽しみに『戀』を観ながら年末が過ごせそうです。



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