2回目
1回目よりもウィンストン周りのことが上手く咀嚼できたと思う。
あと、プリンセスが侍従長の部屋に侵入した後のチェスシーンで、例の男がスパイとして潜入している姿がモブに紛れ込んでいたのに気づいた。
退屈な貴族の型から解放されたウィンストンが収まったスパイという型はあまりに不安定で、いくつもの仮面を付け替えたり、時には重ねて被ったりといつの間にその下の彼自身の本当の顔すら曖昧になってしまっていた。
それでも、彼が侍従長としてシャーロットに見せた顔は唯一ではないかもしれないが、彼の本当の顔の一つだったように思える。
しかし、現実はスパイのように嘘はつかない。彼がスパイである事実は偽らざる真実である。ウィンストンは最後、第三国の刺客によって暗殺された。彼の運命は結局はスパイとして収束してしまった。