ナナオとオリバーの剣杖を交えた模擬戦。回り込みの描写に痺れた。
そして、人を殺してきた本物の剣を持つナナオに「ここにござった…」と涙させたオリバーの剣。殺し合いの寸前までいった戦いはナナオにとっては充実感しかなく、まさに求めてきた本物だったように見えた。一方で、オリバーは無意識に殺意を込めていた自分の剣を認められないような感情を抱いていたように見えていた。剣を交えたことでより深く分かり合えたように見えて、実際のところではオリバーとナナオの間には深い溝ができてしまったようだった。
そんなオリバーが、魔法生物学の授業で魔法蚕を殺せなかったカティに対して、魔法の残酷な現実に身を落としてなおキンバリーの道理に反して、自分が正しいと信じる道を行こうとする姿を称賛する様子はまさにオリバーらしい信念が現れたようだった。だけど、それはかえって、キンバリーの魔に飲み込まれるフラグのようにも見えてしまった。