そして、母・皐月をさらうことにした緒花だけど、同時に徹さんは孝一も連れてこいという条件を出してきた。
しかし、孝一を連れ帰ろうとした先で、緒花は 孝一に想いを寄せるバイトの同僚の子と出会ってしまう。そして、緒花は彼女の姿に、退屈でドラマのない街と思っていた東京でも、ちゃんと孝一に恋して本気でドラマをしてる人もいるんだ…と気付かされたようだった。
そんな自分との対比の中で、緒花は自分の不甲斐なさ、自分の気持ちばっか抱えるままに他人の気持ちは無下にしてきていたことを自覚する。そんな緒花の新たな一歩は、自分のやりたいようにがむしゃらにやることだけじゃなくて、やるべきことに懸命に食らいついていくということなのかもしれないように見えていた。だから、今回は孝一は連れて行かないし、母の事情にも理解を示したんだと思う。
とはいえ、母・皐月にも緒花のがむしゃらな頑張りは伝わっていた。皐月にしてみれば、今の緒花はかつて女将の母に反抗していた頃の自分そっくり。だから、そんな緒花の気持ちも買って、喜翆荘に行くことにした。緒花の頑張りは確かにお母さんにも伝わっていたし、今は曖昧な胸中かもしれないけど、鈍くとも確かに輝いていた。