最後のお役目は、神婚成立まで天の神からの攻撃を防ぐこと。そこに対して、「私の命でみんなが助かるなら怖くない…」と言う友奈も、「防人の隊長として作戦の成功だけを考えなくては…」という芽吹も共に葛藤の余地はありながらも、与えられた使命に準ずる姿を見せていた。
でも、勇者たちだけは違った。友奈と一緒に帰るために神樹様から彼女を取り戻すという理由で、この戦いに臨んでいた。そして、そこに思うのは、勇者の勇ましさとは仲間を想う勇気なのかもしれないということだった。
しかし、勇者を援護する千景砲が失敗。それは神官の言うように300年も耐え忍んできた人類の限界のようにも思えるものであったが、しかしそれも神への信仰の力に依拠したもの。人類の人類としての戦いはまだ始まっていないようにも思えるものだった。
だから、「人として生きること、みんなと共に生きることを諦めちゃいけない」という楠芽吹の言葉が印象的だった。そして、人のため神に抗うことを心に決めた今の芽吹もある意味で勇者であったと思う。それに、そんな芽吹の言葉に心を動かされ、神と一つになるのではなく、人らしく「生きたいっ…!!」と叫んだ国土亜耶の台詞。それは、まさにここからが神と人類の戦いの始まりを示す宣戦布告のように聞こえていた。