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普通

異世界モノはもうカビが生えるくらいに陳腐化したって社会風刺か!?



全体
とても良い
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キャラクター
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ストーリー
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音楽
とても良い

1年ぶりに再び映画館で...

暁美ほむらの全てはまどかのため。自分が生きる意味も何もかもを捧げられる。

だから、全ての魔法少女を絶望の輪廻から救うために鹿目まどかがいなくなった世界は虚空で無為。その隙間を透き通るように綺麗で、おぞましい程に禍々しいが感情が満たしていく。もし世界の定義がその想いに反するのならば、宇宙の理ごと変えてしまうだけ。

正義の理屈も悪の倫理も「愛」で煮詰めれば全て曖昧に溶け合う。

希望を絶望へ…

だから、あなたを救うために私はあなたとの永遠の離別を選ぶことができる。せっかく手に入れた偽りの甘い夢。あなたと一緒にいられる、分かち合えるこの希望の世界を再び絶望の淵に捧げることができる。

絶望は希望へ…

だけど、円環の理《鹿目まどか》に認知されない世界の中は絶望と後悔の輪廻。でも、その苦しみこそがまどかの幸せのためであり、私の幸せとなる。自分の首に当てた手をきつくきつく締めずにはいられない。それでもあなたは助けに来てくれて、私の中の「会いたい」という気持ちをもう躊躇わなくても良いと言ってくれる。

溶け合う希望と絶望は愛

全てはあなたへの「愛」がそうさせる。希望は絶望へと、絶望は希望へと転化する。「愛」に煮詰められて希望も絶望も溶け合い、善も悪も曖昧になる。

希望の魔法少女に絶望の魔女が触れた瞬間、「愛の悪魔」が降誕する。

ほむらは「円環の理」から《鹿目まどか》を引き剥がす。もうインキュベータの手に渡さない、もう誰の手にも渡さない、もう世界からあなたという存在を奪ってしまう。「もうあなたを離さない」─だからあなたを私だけのものにする。

それが愛を募らせた魔の所業。愛ゆえに正しくあれない己を躊躇する理性ももうない。あなたをこの手の中に閉じ込めておくためなら、どんな悪にだって手を染められる、あなたの敵にだってなれる。だけど、その矛盾し歪んだ感情はどこまでも純粋なのだ。自分の欲望になりふり構わず素直であり、どこまでも人らしい。彼女のこの愛欲を誰が否定できるのだろうか、共感し得ないのだろうか。

そんな最後にほむらがまどかにリボンを返して「やっぱりあなたの方が似合うわね」と涙を浮かべる場面。その涙に映るのは、まどかを愛し求める限り自分は正しくあれない「愛という呪い」を憂う悪魔の少女の姿だった。そしてそれはどこまでも美しくどこまでも醜く、何よりも幸せで何よりも苦しい……。そんなこの愛の物語を象徴するシーンだった。

そんな風に考えると、なんだかこの「叛逆の物語」は「リズと青い鳥」と同じで真逆という印象が湧いてくる。



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欲望の果実

戦後30年を経て、ディストピアと化したネオ東京。そこは政治家と資本家の身の丈を超えた欲望によって社会は熟れきっていた。そして、もはや腐りかけの果実では、その内に溜め込んだ人々の抑圧された叫びの制御に亀裂が生まれていた。武力による治安統制や民を搾取する税制改革に具現化した現状の社会秩序を崩壊・リセットさせる機運という波がうねりを上げていた。

さらに、政府や軍は人が触れてはならない神の力「AKIRA」も制御しようとしていた。自らの能力を過信して神の領域にすら我が手に収めようと、その欲望を煮詰めさせていた。

反逆者・不良少年

そんなネオ東京で不良少年として不遜に大胆に生きる金田たちは、この社会が産み落としてしまった真逆の象徴として映る。そして、強き支配者・傲慢な『大人たち』と、それに喰らいつく血の気と純真さを携えた『子どもたち』という構図を鮮烈に焼き付ける。

その反逆者や子どもたちの象徴として鉄雄にAKIRAの力が目覚める。彼が幼い頃から抱えてきた誰かの下に敷かれる劣等感は、軍の科学者たちに人体実験されたことへの怒り、金田や同じ様にAKIRAの能力を持つガキたちからの指図への反抗となって爆発する。全てを見返してやるという粋がった感情と共に鉄雄は全てを破壊し尽くす。

オールリセット;破滅の輪廻

しかし、その感情は資本家や政治家に抑圧された社会と同調するものであるが、鉄雄の破壊は無差別にその社会一般民衆ごと破滅へと導く。たとえそれが解放させてはならないAKIRAを呼び起こそうとも全てに反逆する。その果てに自らの力を制御できなくなって自己破滅に導かれようとも…。

そして、鉄雄はAKIRAの力を制御できずに死ぬ。ネオ東京も大部分も崩壊したが、なおそびえ立つビル群を前に果たして私の目には完全に崩壊しきったようには見えなかった。彼には社会をリセットできる程の崩壊ももたらすことができなかったように映った。結局「大人」を打倒しきれなかった。しかし、3人の能力者の子どもたちが「でも、いつかは私たちにも…」「もう、始まっているからね…」言い残したように、新たな秩序に作り変える兆しは見えているのだ。胸に手を当てれば高鳴る鼓動、金田や鉄雄の姿に魅せられて熱を宿した気持ちが次こそ社会に変革をもたらすような気がする。

普遍の力:本能

そんな風に社会と真っ向から対峙する存在であった鉄雄だが、同時に彼自身も「大人」のように己を過信して、その力に飲み込まれてしまったことも事実であった。

また、金田も反逆者でありつつもやっぱり鉄雄の破壊を止めようとしていて、鉄雄や暴徒のように正気を捨てきれずにどこか現状の体制を肯定せずとも否定しないような印象があった。

つまるところ、人というのは普遍的で一度道を外れたところで無意識に軌道修正されてしまう。反逆に反逆を重ね続けない限り、社会や世界を変えることもできないという戒めを受けたような気もした。だから逆説的に、彼らの熱に当てられて盛りづいた反抗心を日常を取り巻く社会常識や正気で潰えさせたくなくなってしまう。それにこれこそが、ナンバーズの子どもたちは誰にでも眠っていると言っていた「AKIRA」の力なのかもしれない。

アンリミテッド・アニメーション

そんな世界観を描いたアニメが贅沢どころではない7億円もの制作費を投じられたというのは、どこか矛盾のようにも思えてしまうところがある。だがしかし、公開当時の1988年という時代を考えると、アニメなんかにそんな巨額の資金を費やすことこそが、ある意味で社会への反逆的な行為のようにも思えてくる。



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良い

9話は秋クールでも最も良かった数話に入るくらいに良かった
ただ他のエピソードはそこそこ
主人公の農業バカ度合いに息子を溺愛しまくるお母さんとか、cv田村ゆかりな妹、それぞれキャラの濃いヒロインたちというキャラクターは結構良かったし楽しかったです
農民のくせに農民パンチとかいう農民要素ゼロな必殺技はもうちょいなんとかなれよ....



良い

cv田村ゆかりの小悪魔でブラコンな妹、最高すぎる

結局全部謎のままで終わってしまって、めちゃくちゃ真相が気になるし、12話Bパートになって急にめちゃくちゃおもしろくなるの何?



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かつて大女優として一世を風靡した藤原千代子。彼女が語る「恋する少女」としての半生と「恋する女性を演じ続けた女優」としての半生。そこに映し出される実態の千代子と虚構の千代子は曖昧に溶け合い、「届かぬ恋を追い続ける感情」に囚われた千代子の内面に広がる盲目的な愛に陶酔した世界観を描き出す。

永遠の刹那と、移ろう時

あの人を想っている限り、私の心は永遠にあの時の少女のまま。しかし、自分の心の外の実時間は一定の速さで過ぎ行く。いつまでも幼い恋心を追い続ける私とは対象的に、年相応に結婚が自分の周りを取り巻く。そうやって私の心は時の流れから取り残されて、自分の老いも、あの人がもういないことにも気付かない。

だけど、あの人との約束を追い続けている限り、そんな無情な時の流れを忘れられる。だから千代子は「だって私、あの人を追いかけてる私が好きなんだもの」という台詞を最後に残したのだと思う。

恋の相対性理論

千代子は女優として様々な時代・舞台で一人の男を想い追う役を演じてきた。それと同じように「恋に恋すること」で、千代子は現実とは切り離された世界、もう居ないはずのあの人が何処かで待っている世界を生きることができる。あの人との「愛に生く」ことで、あの人に「会いに行く」ことができるのだ。

初恋の魔法

「女の子は恋をすると可愛くなる」というが、恋をすれば永遠の若さも、次元を超えた世界にトリップすることも現実にしてしまうのかもしれない。そんな「恋の魔力」ともいうべきものを、老いてなお美しさを覗かせるまさに魔女のようでもある藤原千代子という女性の走馬灯とも取れる回想に感じた。



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