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ミサトさんの過去が判明する。そこにシンジは自分との共通点を見出す。初めてゲンドウから褒められることで、褒められることの喜び、エヴァに乗る意味を感じるシンジ。ミサトさんはシンジのよくない部分は他人の目線ばかりを気にするところにあるというが、その発端は間違いなくシンジを見ようともしないゲンドウの態度にあり、他者のまなざしはゲンドウに求めているものの代用品にすぎないのかもしれない。だからこそ他者の評価を気にする割に、そこに「本当はそうじゃないのに」という違和感やいたたまれなさを覚えてしまうし、ゲンドウからのねぎらいに心から喜んでしまうのだろう。
父親との関係性に屈託があったとして、ここまでストレートなものを作れるのか? という問いかけには、自分はイエスとは言えないなあと"Fly Me To The Moon" を聴きながら思った。エヴァンゲリオンという表象にはもちろん歪みはあると思うがやっぱりまっすぐさもあって、自分だったら心の奥をのぞかせたくないからと、もっとひしゃげた、誰の心にも響かないものを作ってしまいそう。
綾波の肉が嫌いという設定は庵野秀明本人に由来しているのか?