これはすごい…久しぶりに原作買って読みたいと思える作品に出会えました。
まずダンスシーンの作画と演出が神がかりです。競技ダンスのことは全然知らなくてもカッコ良さが充分すぎるくらい伝わってきたし、思わず歓声が出そうになるほど興奮しました。
登場人物それぞれがフロアに立ち続ける理由や信念があってとても魅力的です。
映画とはいえ作画が神がかっていてさすが京アニとしか言いようがないほどでした。
個人的にストーリーの方は完全に恋愛ものとして見ていたのですが、「不愉快です」という言葉でこんなにニヤニヤできるのはこの作品だけだと思います。特にラストのあれは反則級でした。
はっきりと悪人、悪事と言えるものが出てこないにも関わらず物が良くない方向へ向かってしまう展開は生々しく、人間くさく、非常に見応えがありました。それでも最後は多くの登場人物が報われたような結末で気持ちのいいエンディングでした。
半世紀以上にも渡るストーリーで、その時々の社会情勢や世相を反映した描写、セリフがちりばめられているためちょっとした近現代史の勉強にもなると思いました。落語という縁遠いテーマで敬遠しがちかもしれませんが自粛中の中高生に是非オススメしたい作品です。