『ブルーピリオド』 74点
■作品の魅力
美術と受験に真摯に向き合って、恋愛要素を広げなかったのが良かった。
特別な自分感など、思春期の不安定さが鋭く掘り下げられていた。
専門性の高い内容を上手くストーリに溶け込ませられていた。
「技術で本音を隠すより、本音を技術で武装する。」など名言も多い。
■クリエイター視点の良さ
[自分独自の閃きや工夫が相手に伝わった時は凄く嬉しい。]
この気持ちには凄く共感できるし、多くの人に刺さり得る内容だと思う。
また《内面をさらす怖さ》や《劣等感との向き合い方》など、
マイナスの感情についても考えさせられることがあり深みを感じた。
■改善ポイント
主人公が絵画にどんどん夢中になっていく過程がわかり辛く、
視聴者も一緒に引き込まれる仕掛けや工夫がもっとあれば良かった。
「優秀な原作を無難にナゾッただけ」という印象はぬぐえず。
頑張ればもっと上を目指せる作品だったとは思う。
■感想まとめ
早く続きが観たくなる力のある作品。
八虎が才能を伸ばし続けられたのは、本人の真っ直ぐな努力と、
[友達、先輩、美術部、予備校]と良い導き手があったからこそか。
2次試験のヌードデッサンだけは自分も見学したかった。