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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

 ひとつひとつのコマが絵画のように美しく、人間の機微がいろいろな場所に見られ、本当に美しかった。dアニメで見たのだけれど、何度も止めて深呼吸しながら出ないと見れなかった。結局4時間もかかってしまった。
 変化の瞬間を丁寧に描いていて、のぞみが誰とでも気さくに接するさわやかなキャラだったところから、後半ではそんなにいい面ばかりではない人間であるところが露呈したり、のぞみなしでは何もできないはずだったみぞれが実際は非常に優秀であることが分かったり、後半でいろいろ明かされることが多くて驚きが続いた。
 リズのもとにやってきた青い鳥は、リズがひとりぼっちだったからと言うので、最初は明らかにひとりぼっちであるみぞれのもとにのぞみがやってくるという構図だと思ったが、実際は逆であった。でも後から思い返せば、青い鳥が靴の先をこつんとさせる動作が冒頭シーンのみぞれと重なったりしていて、はっきり描かれずとも示唆されている。
 個人的には、この年代特有の世界の狭さ、それゆえにその世界に浸かることで自分が認知する世界が繊細で広がりを持つことの、どうしようもない窮屈さと美しさが素敵な雰囲気につながっている気がした。なんだか本当に一コマごとに額縁に収めたくなるようなきらめきを持っていて、それでいて窮屈でうまくやれないもどかしさがあって、これは切ないという言葉では表すことができず、靴擦れのような痛みと苦しみのようなものを感じて、苦みを感じた。痛みを伴って、物語は前に進むのだろう。



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