可愛らしくも思慮深きダリアン、数奇な書物達の物語、ヨーロッパ情緒に溢れた画面、クラシックで貫かれた劇伴。
間違いなく最高の仕事が集結している傑作の一つ。特に西洋趣味の人間にとっては。
詩の如き魔導書を朗詠し、その盛り上がりと共に劇伴のピアノも情熱的なパッセージを奏で、冥界の妖精が顕現する。第1話から圧倒的なカタルシスである。(まぁ今観返すと中世のパラケルススが随分と現代的だなとか思うが)
「叡智の書」など特に好きなオチ。『付喪堂骨董店』なども近い系統だが、不思議なアイテムに狂わされた人間の物語というのは優秀な枠組みである。
サントラにはDorianが…とかLocrianが…とか譜例と共に解説している並のアニメのサントラではお目に掛かれないブックレットが附属していてまた良い。