やはり話の流れがふわっとしている気がするが、魔王(!)との大一番があるので締まりがある。
炎の方が奥義かと思ったがそうではないらしい。
奴隷商でお買い物。首輪や手荒な扱いは奴隷貿易の時代を思わせる。(他の時代の奴隷制度がこれほど苛烈でないというのは単なる幻想なのだろうか?)
ルーデウスの向き合い方がなかなか興味深い一話。
異世界における日常風景とその中での心の震える瞬間という意味で味わい深い。
学園となればもうちょっとこう…あるだろう! と言いたくなるやや地味な展開。
大学の描写が(生徒会長という存在以外)非常にきちんと中世風をやっていて良い。(ハリーポッターを模倣するだけでもかなりいい感じになるのだが、教室の内装などつい現代風にしてしまう作品は多い。)
急にラノベ主人公の鈍感さ。
時事ネタだとかキャベツ、ブロント語、「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」など今となっては誰が知ってるのかというネタも多いが、入るもの全部入れたれの精神がショートアニメと完璧に噛み合っている。(フル尺では、密度だけで言えば『キルラキル』などあるがパロディネタで一話持たせるのは困難だろう。)
KUROBAKOにしても丁度一年前の『SHIROBAKO』のパロディだが、闇方向に突き抜けた業界ものとして褪せぬ輝きがある。セクハラ描写は今の感覚では完全にアウトだが。
あと見返してみるとOPがほぼキャラ芝居だけで成り立っているのが凄い。特にストーリー性のあるカットがないのだがリミテッドアニメーションの技で持っている。
EDもモデル精度や描画は正にMMDなのだが、モーションが良いので商業クオリティの画面になっている。(もうサイトがなくなってしまったがこのMMDモデルは無料配布されていた。)
何にせよショートアニメの傑作。
生きる意味を取り戻していくルーデウスだが根本的には過去に引き摺られた心性でもある。だからサラと良い感じになるのではなく祈りで終わるのだろう。
しかし治癒も使えるんだったか? 凄まじいユーティリティプレイヤーである。
湿気すぎだろルーデウスとしての年月はどうしたと思ったがちゃんとこの回で立ち直ってくれた。エリス√駄目だったからやっぱロキシー√しかないみたいな流れではあるが。