ニュータイプ同士の交感みたいに会話するエルとオラシオとか、オーラバトラーのハイパー化みたいになるヴィーヴィルとか、逆シャアばりに「伊達ではありません!」と言いつつヴィーヴィル落下を阻止しようとするイカルガとか、キッドの「死ぬかよぉ!」とか、横溢するトミノ臭に笑った。
カットされたキャラやメカやエピソードも多く、原作通りの映像化とは行かず(諸々の事情や制約があったのであろう)、不満に思う原作ファンがいるのもわかる。それでも、原作のキモあるいはスピリットとでも言うべき「巨大ロボットのための世界」という部分は、このアニメ版も継承できていたと思う。
とにかく何よりもまず巨大ロボット。それを主人公であるエル自身が体現しており、いかなる時もそれがブレない。作品の柱が極太で揺るがないのが、この作品の魅力だ。
登場するメカの種類は1クール作品とは思えないほど多く、ロボットの登場シーン・戦闘シーンも多い。これだけの物量を、素晴らしいクオリティで作り切ってくれたスタッフに、原作ファンの一人として、心から感謝を。楽しい1クールだった。