ベッドに描かれた星空を見つけたあたりから、ずっと泣きそうだった。年月を超えて思いが受け継がれていく話に弱いんじゃよ……。
物語において、登場人物の動機が明確であることは、非常に重要だ。動機があやふやだったり、動機と行動に齟齬があったりすると、受け手はそこに「作劇の都合」を感じてしまい、登場人物を生きた人間とは感じられなくなる。
四人が自己紹介のときに「なぜ南極に行くのか」を口にし、それが得心のいくものであったことは、この作品がここまで彼女達の動機をしっかりと描いてきたということだ。
自己紹介のときに報瀬の背中を押したりと、日向は今回もいい仕事をしていた。花澤香菜さんによる、報瀬のダメダメなレポートのときの演技の上手さに唸る。声の演技だけで笑えるなんてずるい。