本作と「あしたのジョー」の関係は、「本歌取り」と表現するのがよいのではないかと愚考。本歌である「あしたのジョー」の断片を、本歌とは異なる文脈で組み込み、しかし受け手の本歌の記憶を喚起することにより重層化する。こんな方法があったのか、と驚かされた。実に見事な語り直しであったと思う。 線それ自体の表情にこだわった作画や、アニメ版「あしたのジョー」を髣髴とさせるタッチの美術もよかった。 素直に見てよかったと思える作品。
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