TOKYO MXでの放映直前に水上悟志さんがつぶやいていた通り、ラストで「うおおお!」と驚いた。
根津屋正義、たんに遅れて間に合わなかっただけだった……しかも見せ場なし。引っ越したという伏線がこんな形で回収されるとは。まあでも、これはこれで彼らしい気はする。
穏健派と封印派の決闘は、出し惜しみなしの全部入りな感じで、見応えがあった。手描きでは手間がかかるゆっくりとした動きで、巨大感と重量感たっぷり。そこへ田中公平氏の劇伴が加わるのだから、隙がない。最後の決め手が下駄というのが最高。
にしても、シリーズのこのタイミングで年単位で時間が経過する例って、他にもあるんだろうか。まさかこんな形で「登場人物達のその後」が見られるとは。
カレルレンとラシャヴェラクの名前は「幼年期の終り」が元ネタだけど、たんに名前をいただいた、くらいの繋がりかなあ。なんとなく先生の方がカレルレンと予想していたので、ちょっと意外だった。
今回の作画好き。特に服のシワの描き方がいい。服と体の間にある空間が、動きによっても表現されているのが素晴らしい。今回見ていて「おおっ」と唸ったのはこのへん。
・あおいとひなたの下校シーンの服のシワ
・電車の中で手をブラブラさせつつバッグを肩にかけ直す
・三人があおいと別れるシーンで手を挙げたときに袖がずり落ちる
本当にちょっとした動きなのだが、常日頃からの注意深い観察なしには描けない、キャラの実在感に貢献する、見事な芝居である。