作画もストーリーも大好き……。最後の方はA106に気持ち引っ張られてちょっとウルッときてしまった……
ラスト付近でのA106視点でみえる世界の冷たさと温かさの描写が、全体の中ではとても静かなのですが圧倒的に沁みる。謎の無常観。
観察者としてのA106、という構図で「ああ、アトムって火の鳥だったんだ……」という悟りを得た
……何よりもこの3人のマブダチ感が最高だぜ。
お菓子メーカー会社員・松丸くんと、声優の卵・赤との恋愛モノ。基本二人のやりとりで話が進むけど、けっこう登場人物はたくさんいて、いわゆるセカイ系っぽい閉じた空気はない。
シンプルなストーリーなのにざわざわするし、ドキドキする。キャラクターにかなり共感させられてしまうせいだろうな。4話でうっかり泣きそうになりました。
多幸感のあるゼロ年代アニメが観たい人におすすめ。
作画もいいですし、何より演出が面白い。『lain』の中村隆太郎監督らしさは随所に。
あとOPがちょー可愛いです! 「うー!」ってとこ好き!
序盤の人間関係の掘り下げや世界設定のゆるやかな開示がピーク。面白くなりうる要素はたくさん詰まっていたのに何故……。
結局のところ、それらの要素がうまく結び付かずバラバラのまま終わってしまったのが問題だったのかも。特に人間関係の描写の積み重ねが終盤のドラマにほとんど影響していないのはあまりにも惜しい。好きだったんだけどなぁイチゴとかゴローとかの関係……あそこも想いに決着がついたというよりかはなあなあの消極的なところに落ち着いちゃった感じで、ちょっともにょる。
クリエイターが各々やりたいことやってるのは伝わるし、作画・演出は突出して素晴らしい作品ではある。他作品のオマージュも盛りだくさん。まあそれは良い。ただそこに一本筋が通るような筋立ては用意して欲しかった。日常芝居の作画なんかは好きなカットがたくさんある。
作画面でももう少し欲を言えば、戦闘アクションでもっと見せるような動きがもっと欲しかった。
いや~~~~~~~~~ホント好きだし期待も大きかっただけに色々言いたいことがありすぎる作品でした……
無印SAOは作中の「ソードアート・オンライン」というゲーム自体がまったく面白そうだと感じられなかったが、こちらはゲームとしてのルールをわりかしきちんと明示して、そのなかで戦略を見せるような造りになっているので楽しめる。
戦略そのものは「うそーん」って感じちゃうようなものばかりだったりもするけど、あくまで「現実」ではなく「ゲーム」の設定や穴を駆使した戦略だったりするところがリアルで良い。代表的なのは「死体は一定時間、破壊不能オブジェクトになる」というもの。文字通り仲間の死が無駄にならない、という状況が生まれたりする。
こういう面白さは現実の戦闘にはないわけで(死体を盾にはするでしょうが)、《仮想現実》がゲームとして面白く成り立つポイントについてかなり自覚的に描いていると思う。
とはいえキャラクターの能力値パラメータのバランスはゲームとして大丈夫なのかとか思いますけど。
メインキャラ4人は個性強くて面白いです。ゲーム内とゲーム外での描写がいずれもあるので表裏見えることでより人物が浮き彫りになる。アバターがあるという設定を普通にうまく活かしていると思います。無印SAOは設定の都合上書けてなかったところですね
1話での設定のわくわく感がピークかも。でも中盤の中だるみと設定の突っ込みどころを除けばけっこう面白かった。9話くらいで色々と事実が明かされてからどんどん話が動いて、うまくラストでまとまった感じ。
作画は安定してすごく良くて、キャラクター原案の鳴子ハナハルのタッチがちゃんとアニメーションとして活きてる。漫画家さんがキャラ原やってる作品は最近ちょいちょい見かけるけど、だいたいアニメとして動かすために簡略化されてタッチの個性が死んじゃうパターンも多く、この作品はその点では嬉しい例外。
空気の読めない人間こそが状況を変えていく、というプロットがとても気持ちよかったです!
よりもいと並んで今年TVアニメベストでした……。まさかこんなところでパトレイバーのイズムを感じられる作品に出会うとは思わなかった。岡田麿里脚本で一番好きな作品です