(再視聴)初めてひかりのそばから見た(気がします)。とても好きでした。
「舞台が好き。スタァライトが好き。華恋がそう言ってくれたから。私は走る。」
同じもの(それ)を華恋は「約束」と、ひかりは「運命」と認識していると思います(幼い頃の場面ではこの言い換えもあります)。ひかりは自分を突き動かす「運命」を失いましたが、それは華恋(と)の「約束」でもあって、それが残りました。舞台やスタァライト、を「運命」と考えています。
「走る」ことの変遷が今回は耳に入って面白かったです。
ひかりは華恋からの手紙を、生活をしながら頭の中で思いだします。出さない返事を思い浮かべます。
「私も走ってるよ、華恋との約束の舞台まで。ここでスタァになる為に」
次に先ほどの「私は走る」が現れます。これは幼少の回想から。この後には(再会は)「華恋が待ってる、あの舞台の上」という言い方もされています。
これがレヴューオーディションが始まると変化します。
「華恋、私…待ってる!運命の舞台で!」
一緒に走ってる立場から(私が走る理由、待たれる立場から)、待つ立場へと入れ替わります。ひかり本人の意識していない部分で心境に変化が現れているように見えました。
今回なぜ東京タワーが逆さに落ちるのかも部分的に得心がいきました。これは、ひかりが「強く掲げた手のひらすり抜け」落とした誓い(キラめきの剣)と同じもの(「運命」そのもの)でした。それは華恋が与えてくれた(ひかりから奪った)ものでもあったと思います。「他の子よりちょっと違った世界を知ってる」と自慢したくて、ひかりは華恋をその舞台に連れていきました。華恋はひかりに見えていなかったその舞台のそれを見せました。知っていると思っていたひかりはその運命(既知)を奪われました。これは、すり抜けた誓いと同じ形をしている出来事だったと思います。そういえば、逆さの東京タワーは華恋が1話でひかりに落とされたのと逆さにもなって、それも良いです。塔が落ちてきたのと塔から落下したのと、同じ現象が違う形をしているように見えます。
走るのをやめて待とうとした、もしくは「運命」に近い役を得ている華恋に置いて行かれまいと急いだ、もしくは結末(別れ)が見えて怯えた、もしくは。何か一つというよりは色々と要因が絡まってそうなっていると思いました。思います。今回は、「走る」が印象に残りました。
以上のことを考えて、孤独のレヴューで大場ななに追い詰められ、"弱く"、震えてかかげたひかりの手(新しくなった誓い)が大好きになりました。
追記
「華、ひらくとき」の大場ななと神楽ひかりが対等に思えたのが好きでした(塔が沈んだ水の中で戦い出す前にお互いが映る場面。勝敗の分からない決闘の前のようでした)。おそらく塔(おそらく互いが積み上げたもの、既知とできる優位性)が失われたことで対等に対峙していて好きだと思いました。まさに誰も見たことがない舞台です