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とても良い

 夜の闇のような秋山の黒い黒い目に深い印象が残りました。路地裏の会話。吸血鬼にとって恋愛はやみよを照らす太陽なのかもしれないとも思います。
 わかるわからないは角度を変えた宝石の様に見えたり見えなかったりするもので、第7夜でコウはセリを誤解したと私は思いましたが、コウがセリを自分と同じだと思ったのは一面で確かにセリの姿を捉えていたものでした。前半(うろ覚えの記憶です)空に均一にまばらに広がる星やさっぱりとした天の河を、今まで考えた流れからセリの天の河かなと思い見ていました。
 路地裏の構図が印象的でした。セリに襲われたカラオケボックスから逃げ出してコウと秋山はこの場所に逃げ込みます。その路地の先には逃げ出してきた表通りとは別の表通りの光があって、それはやわらかな光を湛えていました。逃げ出してきた表通りはそれほどキツくはなくやわらかい印象もありますがネオン系の色合いです。路地裏は光は薄暗く上には(おそらく月明かりのない)星々のまばらに散った夜空がビルの隙間から見えました。その先の表通りはコウの、空は吸血鬼の、逃げてきた表通りはセリの、明かりのように考えています。
 その路地裏で、セリに会わない時間を長く感じるようになって誰と会っているのか気になるようになって「誰と僕の悪口を言っているんだろう」と話す秋山の目は黒く深く、夜の闇の様でした。これは全くの妄想ではなくなって、確かにセリはコウに(秋山のことだけではなかったとしても)悪口を話していました。一面でダル男だった秋山は別の一面で確かにセリの深淵を見たのかもしれないと、そう思って、夜の闇について考えていなかったと思い、秋山とお別れしようと決意して閉じたセリの瞼の裏に、闇夜の黒色を見ました。
 友達でいることはできなくなって、眷属になる/眷属にすると決意したふたりを、夜空が輝いて(おそらく月明かりが強く注いで、もしくは天の河が流れこんで)祝福します。それを、太陽の祝福だと思いました。…ふんわりとテキトー考えていることですが月明かりが大丈夫ならそれは太陽の反射なので太陽光も大丈夫になるのはわりと道理だと思います(別にそういう設定じゃなくてもそれはそれで全然OKです)。
そう考えていたこともあって太陽と思いました。
書いていて宇宙の闇は冷たくて、しかしその向こうにも届かない星の光も、届かなかった星の光もあるかもしれないと思いました。
そういえば今回の話数タイトルの「ずるい」は、セリがコウがいるナズナに言うとなんとなく予想していたのでコウが言うのが予想外でちょっと面白かったです



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