もも肉をもらえなかった後の尽義がぶーたれてる場面で、バイクの音が入っていて珍しい街中の音響だと印象に残っていました。でっかいバイクが登場した時、すとんと納得がおりてきました。
アラミタマの駆除と鎮めとが共存することについて、面白かったです。野生生物との関わりから(改めて)考えたらそこまで不思議ではなかったのですが、霊的な存在に対してこの両者の対応が作品上の相容れない善悪対立ではなく、なあなあとそこにある形が、私には目に新しい光景でした。なんとなく気のいいおじさんと思っていた市長も観光をおそらく推進する立場から、霊脈の観点からみれば負の影響を与えてるだろうことも見えて、少し色合いが違って目に入りました。
偉大な師匠に残された3人の弟子たちの、その死に対するそれぞれの向き合い方が見えてきて、まずは一つ「ふむ」と思った回でした(人間いつ死ぬかわからないから(今食べたい)とこぼしていた尽義の言葉も後からこの文脈も含まれるかと思いだされました)。鞍馬と伊吹だけでなく、尽義と伊吹でも対照的だった気がします。己れの弱さのために邪法に手をださない尽義は、かぎりなくダメ人間でも、その1点には一分あるかもしれません。伊吹はきっと(3人ともそうだったと思いますが)すごく師匠が好きだったんだろうと思います。だから今度は置いていかれないように竜に勝てるほどの強さを求めているのでしょう。鞍馬は師匠の脈継ぎの教えを最も忠実に継承しているようにみえて、その教えに固執することで多くを取りこぼしていそうです。
それにしても海列車、保守管理すごく大変そう……とか、そもそも脱線しないのすごいどういう技術?、なんか波にさらわれて脱線しそうで乗ると考えたら怖い……など見るたびにおののいて不思議な気持ちになります。
エンディングの建物空間を泳ぐ魚たちに霊脈の視点でみると陸じゃなくて海のような島なのかなと、今回ふと思いました。