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とても良い

「原論」の講義を求めるソルコクタニの姿に、かつてファーティマから学び始めたシタラの面影が重なる。異郷の知識を学ぼうとする姿勢自体は高潔だ。しかし、その本が彼女の手に渡るまでに、誰かの大切な人であったはずの膨大な命が奪われている。その背景を知らない彼女の無邪気さが、ひときわ切なく胸に刺さる。
シタラがどれほど重用されてもなお、モンゴル帝国への憎しみを失わない理由が丁寧に描かれていたと思う。
最初の数年間は表面上こそ取り繕っていたものの、心の底ではモンゴルの生活に馴染んでいなかったシタラ。しかし、8年という歳月は残酷で、いつしか食事にさえ慣れてしまっている。その心身のギャップの描写も挟んでくるのが見事だった。
決して消えない帝国への憎悪を抱えるシタラに、突如もたらされた密偵の極秘命令。ソルコクタニは夫であり炉の主(オッチギン)であるトルイを皇帝にするために何かを企てているのだろうか?



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