IGの海外戦略の一つのNetflix独占配信アニメ。ぶっちゃけめちゃくちゃ面白かった。事の発端はKiller Bである黒羽(これは予告編でもわかる)を追うところから始まる。詳細は伏せるが、キースと黒羽を主人公としてはっきりとした2本のストーリーがあり、これらを事件とその裏で暗躍する様々な事情を通して上手につなぎ合わせ1本にしたすごい内容だった。ただ、普通は群像劇が最後に1つの結末につながるストーリーになるのが面白いと思うのだが、本作は逆に2つに分かれてそれぞれが決着したので事件が収束した感が若干薄かったか(案外複雑な事件というのはこういうものなのかもしれない)。日本アニメと海外ドラマのいいとこどりのような内容は間違いなく向こうでもウケると思った。IGの底力を見せられたような気分。これから見る人は事件の全貌と複雑さ、そしてその結末を楽しみにぜひ視聴してほしい。本当に面白かったです。
ストーリー以外では、キャラも魅力的で事件が起こるたびに死なないかヒヤヒヤしていたし、映像も綺麗でアクションも派手でよく動く。2ndシーズンも発表されたしもう一回見ながら待とうと思う。
バトル系じゃないアニメでここまで引き込まれたのは久々な気がする。大きな決断をする場面である進路決めというタイムリミットに合わせて、恋の行方をはっきりさせて「Just Because」で終わらせないという構図だったのかな、と思う。
ここまでキャラクターの感情の機微や互いの関係を(ドロドロしていない良い意味で)リアルに描けている作品はなかなかなく良作だった。やはり青春の恋愛ものという側面があるので恵那と美緒の本気の衝突とかがもしあったら評価は下がっていたと思う。モヤモヤする感情を綺麗に表現できていて観ていて不思議な余韻が残る作品だったと思う。スタートから最後まで一本芯が通っていた感じ。
ただ淡々とした印象はあった(そこが良い作品でもあるのだが)。天気も曇りが多くて演出自体が派手さのない暗めの方針だったこともあり、ドカンと来るエピソードがなかった。この作品に求めるところではないとは思うがやはりカタルシスは欲しくて、そこだけ物足りなく感じた。ここが山場で盛り上がりどころだという緩急が好きだけど、それがなく本当に繊細な物語でそこが良いので☆5です。
キャラ、ストーリー、やなぎなぎの音楽、映像の雰囲気すべてがマッチしていてとてもよかったのだけど、作画自体は可もなく不可もなくという感じだったので映像だけ良いにしておきます。
最終話について、自分好みのシリーズ構成で来たので満足している。最終話で色々決着させてCパートで物語は続いていく…みたいなのはあまり好きではなくて、こういう前話まででイベントは起こしておいて最終話をすべて使って畳んでいくのがとても良かった。作品のテンポとしてもゆるやかに終わっていくのが正解だと感じた。
気になって視聴。初見。映像ドラッグなる表現がでているがまさしくそうだと思う。この作品は賛否両論あるらしいと聞いてたが、確かに人は選ぶなという感じ。この空気感は他にないので自分はちょっとずつ進めていこうと思う。