途中まではほんと良かったです。ただ、最終回の後味の悪さは歴代トップ10に入るレベル。伏線が何も回収されずに終わるのは100歩譲るとしても、後味悪くモヤモヤさせて終わるのはな…。二期ありきならいいけど、どうせ二期こないだろうし。
最初のころは、この面白い世界観を巧く料理した話が続いて本当に面白かった。前世に未練を残した死者の世界で、輪廻転生を目指して戦うという「空」の世界の話。皆の前世を感動的に、時には残酷に描いてて見ごたえがあった。これがありきたりな未練で無くて、みんなめちゃくちゃ辛い過去なんよな…。娘の病気を治すために裏の世界に入るお父さんの話とか、唯一寄り添ってくれた先輩に無理心中を迫られるとか。これだけ聞くとテーマとしてはありきたりなんだが、その過去に感情移入させるための舞台作りと演出能力が抜きん出て良い。3話までは絶対見てほしい。3話で一気にはまったわ。
設定の中の一つに「記憶を奪いあう」という要素もあるけど、これもめちゃくちゃ面白い。戦いに勝ったら前世の記憶が戻り、逆に負けたら失う。この設定を最大限魅せてくれた。記憶を失うときに、忘れたい記憶から失う、つまり覚えていたい記憶は最後の最後まで残るというのは良い。3話はほんと泣きそうになった。
あと、世界観がすごく面白い。戦闘で使う武器が、実は現世の人々の悪意や善意とか、空に現世が映り、人の想いが流れ星になって降ってくるとか。本当に好みド直球の設定。ヒロインのCVが花澤香菜さんで、死んだ後の世界の作りこみもすごいから、Angel Beatsを思い出した。
さらにすごいところとして、アニメーションの出来が素晴らしく良い。CGアニメなんだけど、中国の技術力の高さを痛感せざるを得ない。あと少しでピクサーに肩を並べると思う。画面の楽しさがすごい。コミカルな動きは満点。あとは表情さえ身に着ければ、3Dアニメが時代を凌駕する。あと、時折挟まる実写パートもすごく効果的。実写映像にて現世の記憶が映されるんだけど、その映像がすごく暗くて荒い。だからこそ、死ぬ直前の焦燥感を身に染みて感じ取れる。この映像には引き込まれたな…。
悪い点としては、話の展開が早すぎること。一つ一つの話は面白いのに、展開が早すぎるから流れ作業に感じる。これがもったいなかった。せっかく良いストーリー持ってんだから、大切に描いてほしかった。
あとはなんといっても最後。主人公の過去話や主人公の相棒の話とか、伏線を散りばめるだけ散りばめて、結局何もわからずじまい。それだけなら100歩譲るが(どうせこうなるだろうとうすうす思っていたし)、最後に後味がめっちゃ悪く終わった。視聴後の満足感がそこで損なわれた。後を濁して発ってしまった。
というわけで、なんで誰も見てないんだこれ?となるくらい途中までは面白かったが、最後は残念でした。二期があればいいけど、どうせ無いんだろうな…