時代に翻弄されて散りゆく命…
かつての自身の行いと境遇を経て、ヴァイオレットが赴いた先で悲しく切ない言霊が、その最期の灯火が彼女の指で記録される。
状況的にタイプライターがない状態で、遺言とも言える手紙を書く様子が、暖炉の火の描写と相まって感情を揺さぶられた。
サブタイトル「もう、誰も死なせたくない」は、遺族となってしまった彼の家族と愛する人に届けた手紙の返礼の言葉に涙を見せたヴァイオレットの「ごめんなさい」の言葉の裏に込められた願いであり慟哭なのだろうね。
無表情・無感情の人形のようだった彼女が、愛を知り、人を知り、己を知ることで感情豊かな人になっていくね。