"四季の代行者"。
彼らは四季の神々から与えられた特別な力を使い、各地に季節を巡らせている。
しかし春の代行者・花葉雛菊が行方不明になってから十年間、
この国の季節は春だけが消え去ったまま。
春の護衛官・姫鷹さくらは十年間、主を必死に探し続けていたが、
ある日突然雛菊が帰ってきたことで物語は動き出す。
雛菊とさくらの、春を届ける旅が始まる。
——不条理に奪われた大切な時間を取り戻すため。
——恋い焦がれ続けたあの人に想いを伝えるため。
——命に代えても守りたい "あなた" のため。
これは四季をもたらす現人神とその護衛官の、喪失と再起の物語。
何度傷ついても、それでも生きると願うあなたへ贈る、祈りの物語。