シンとの対決までに挿し込まれた、最後のオリジナル回。
ジョーカーとケンシロウの戦いはあまり盛り上がらなかったが、もう一方のバルコム将軍の謀反の展開はとても興味深い。バルコムは謀反の結果シンに殺されたけど、シンからはケンシロウ以上に多くのものを奪った。「一矢報いた」どころではないバルコムの働きだが、本人は満足しただろうか?
アニメ独自、シンとユリアのキスシーンがある。ユリアがシンに歯を立て、シンが出血する展開は気の毒過ぎて吹くw
原作通りの展開に戻るなら、その後ユリアは投身自殺するはずだ。ケンシロウを救う為に「愛し続ける」と言わされたユリアだが、実際には最後までシンのことを全否定し続けた。
ユリアだけでなく、バルコムのおかげで部下も全て失い、サザンクロスにひとり佇む孤独な王となったシンの結末は「哀れ」と言うほかはない。
対決ムードではあるが、シンは今さらケンシロウに勝っても、せいぜい拳法家としての自尊心ぐらいしか得られない。
そんな破滅したシンが、ケンシロウにむけて理不尽な怒りをむき出しにするお膳立ては原作以上に味わい深いものになっている。原作ではあっさりしてたケンシロウとシンの対決を、「よくぞここまで肉付けしたな」と本心から思う。
もちろんネタ的な意味でも面白かった。北斗の拳って、元々そーゆう作品だし。