生きることと死ぬこと、そして、人との繋がりを描いた作品の劇場アニメ。
全体的に演出が凝っていてよかった。
前提としてゲーム原作なので、駆け足気味なのと圧縮のために改変が入るのは目を瞑らないといけない。
何十時間とかけるペルソナ3の物語を頑張って映画4本分に圧縮してるわけですから、案の定尺が足りてない印象になっているのはしょうがない。
演出のためのストーリー改変が結構多い。
特にストレガ関連はかなり省かれていて、原作で説明のあった彼らの背景やチドリと順平の交流、それからニュクス教に関してはほとんど出てこない。
ゲームをやると終盤も相まって特に印象的な終末論によって様変わりしていく人々と街の様子が省かれていたのは素直に残念。
ただストレガ関連を削る代わりに味方の描写が増えている。
天田の記憶が曖昧なまま話が進んだり、荒垣がみんなの前で暴走したり、美鶴が父親の遺したワインを見つけたり、不安からゆかりが倒れたり。
キャラクターに人間味を帯びさせる改変を入れつつ、縦軸はブレていないので、作品としての雰囲気はあんまり変わらない。
全体として主人公とアイギスの話だと思ったほうが結構腑に落ちやすいかも。
既プレイヤーとしては2作目は駆け足気味に感じたけど、描き方が丁寧な1作目と改変が上手く嵌まった4作目は良かった。
ただ、劇場公開でターゲットは既プレイヤーだとしても、未プレイを全く想定していなさそうな点はどうなんだろうな。
3作目で開幕いきなり順平が捕まってるのとか結構ちんぷんかんぷんじゃないかな……。